ブリッジルーツの
日本・中国・韓国見聞録

上海事務所顧問  古島忠久


【第68回】「新たな需要」

 中国に進出している日系企業には日本人駐在員が常駐している企業が殆どで、規模の大きな会社では数名、或いは数十名とおられるところもあります。ここ数年はいろいろな事情により、一時期に比べれば中国上海近郊での日本人常駐者も減ったようですが、まだまだ他の都市に比べれば日本人常駐者は多いです。そこで最近、私は少し感じたことがあります。一昔前の駐在員と呼ばれる日本本社から派遣された方達はそれなりの住居に住まれる方が多く、ローカル系の住居に住まれる方は現地採用者や留学生などで、駐在員の方は少なかったように感じておりました。一昔前はそれなりの年齢の方が家族同伴で滞在し、子供の学校等の事情でそれなりに便の良いところに住む必要があるので、結果的にそのようなところに住むことになっておられたのでしょう。

 しかし最近は以前に比べれば年齢の若い方が増えているのと、ここ数年の中国離れに関連しての人員の削減、或いは経費の削減によるものなのか、単身者が増えているのか、ローカル系の住居に住まれている方達を頻繁に見聞きするようになりました。そこにまた新たなビジネスチャンスがあるようで、日本人向けの低価格住居を専門に紹介する仲介会社の広告もときどき見かけるようになりました。実は私の友人も日本人向け低価格専門の仲介会社を数年前に起ち上げており、その友人に状況を聞いてみますと、起ち上げ当初はこのビジネスモデルがまだ浸透していなかったのか、殆どは留学生や若い方の問合せだったようですが、最近は既に駐在されているベテラン駐在員の方からも経費削減に伴って家賃の安いところに変わりたい、との問い合わせも増えてきた、と言っておりました。

 たしかに私の知り合いにも最近、ローカル系の住居に引っ越された方が数名おり、このような需要は今後増えていくのだろうな、と感じたのは、その引っ越された方達に共通している部分があり、それはその方達が所属する企業が中国内の事業縮小、又は他の国(東南アジアやベトナム)に拠点を設ける計画があり、それに伴い、中国内での規模縮小に関連して経費削減を本社から求められているようでした。最近このような拠点の再構築(他の海外も含めて)の話をときどき聞きますので、そのようなことを考えると、このようなビジネスモデルも更に伸びるだろうな、と感じております。

 しかし前向きに考えて、先に述べたような新たなビジネスモデルが出てくるのは良いのではないでしょうか。私も偶に「これからこんなことをしたい」、と話される方に出会うときがあり、「あればいいな」と感じる話しもありますので、中国内に今はまだないビジネスモデルもこれからどんどん出て来るのではないでしょうか。そうなることに期待したいです。

 以上

 


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